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2013/4/21 過去の清算、十年の因果 別記
この19日20日と、
十年来続く『友人』関係にはじまり、
色々と書いてきました。

その中で、その『友人』と別に、
もう一人の友人がいたこともチラリと触れました。
今回は、その彼について書きます。


まず、最初に明かしておかねばならないのですが
僕はかつて、彼をいじめてきたこともあります。
僕自身、若さ・幼さを言い訳したくないほど、
ひどく、むごたらしい言動や態度をとってきたと思います。

そんな彼は、僕が逆にハミゴにあおうとしたときに
僕をいじめ返すという方法ではなく、
なんとか僕をクラスの人間関係に溶け込ませようと
彼の善意から彼なりに行動しようとしたのです。
幼さゆえに調子に乗ることもあったことを100回帳消しにできるほど
優しく、尊い心の持ち主でした。


その彼は、僕がアスペルガー症候群をカミングアウトするうちに
『自分もそうかもしれない』と言ったのです。
(以後、彼のことを時々『アスペルガーの彼』と呼びます。
 もう一人の絶縁を覚悟した彼は『マンガの彼』と呼びます。
 マンガのようにおかしな存在だからです。)

実は僕自身、アスペルガーの彼に対しても
事実、アスペルガー症候群である可能性は
非常に高いだろうな、と思っていました。


だからこそ、アスペルガーの彼には幸せになってほしいと思います。
僕ですら幸せを、周りと共に助け合って築けつつあるように…。

そんな彼にも、一応、いろんな支援機関のことや
障害者雇用に至るまでを、自分の経験も踏まえて
サッと話しました。
後は、自分で調べて行動するかは彼次第でもあります。
(自分にできることがあるなら、力になってもあげたいが)


ただ、問題があります…。
それは、昨日、一昨日と話題にした『マンガの彼』のことです。
そのマンガの彼は、僕が言葉を真に受けてしまうという認識については
前々から思う所があったようで
『お前に冗談を言わん方がいいなとは前々から思ってた』と言ってました。
(その返しに、『俺だって許せんことがある、俺の前で第三者を……!』
 の発言に続いたわけだが)

それとは対照に、アスペルガーの彼に対しては
『俺の冗談を返すことができるから冗談も言ってるんだ』、と言い……
アスペルガーの彼も『そやでw俺返せるでw』と
ちょっと上ずった声で言っていました。


ただ僕は、本当にアスペルガーの彼がその冗談を『自然に』返しているのか、
非常に、非常に疑問に感じました。

実際、アスペルガーの彼が僕の目の前で冗談を返しているとき、
なんだか、非常に不自然というか、無理やりというか……。
無理やり動かさなくていいものを、無理に動かそうとしているような
そんな危うさすら感じたのです。
もちろん、もう一人の彼の言動からくるものもありますが…。
アスペルガーの彼は、問題のある彼の『支配』『コントロール』から
もしかして境界を引ききれていないのかもしれません…。


アスペルガーの彼が、今まで無理に無理を重ねてきたエピソードも。
彼は僕と同じ学校にいたころ、不登校になったことがあります。

この間会った時、彼自身が僕にその当時のことを少し話してくれました。
『何もしたくない』『なんとなく死にたくなる』状態だったというのです。

発達障害の人は、感覚の違いから健常者よりも多くのストレスがたまり
それが心身の悪影響となって現れる『二次障害』があります。
僕自身も、小学校高学年~大学時代と
躁病や食欲不振、睡眠障害、フラッシュバックなどに
該当していた可能性は非常に高かったのです(※服薬は一切していない)。

彼もまた、『二次障害』によるうつ病の可能性が、非常に高いのです。
自殺願望が出てくるレベルとなると、
ハッキリ言ってストレスの程度は非常に高いと言えるでしょう。

そして、後日母から、PTA等での彼のお母さんの話を聞きました。
担任の先生から、彼の不登校云々…の話題が出たとき
彼のお母さんは、敢えて彼を無理やり学校に送り出すことをしなかったのです。

『今のあの子は、水があふれる寸前のガラスのコップのようなものです。
 これ以上あの子を学校に行かせると、あの子のコップは溢れます』
そう言って、彼を無理に学校に行かせることを止めたのでした。

息子を否定することをせず、ギリギリでベストな選択を選んだ、
一人の母として、女性としての英断であると思います。

確かに、今振り返ってみても、あの時の学校は
周りのクラスメート、そして先生たちも、
彼の器、素晴らしい部分を正確に理解し、支えられる人は
残念ながら非常に少なかったように思います。
もしこのお母さんがいなかったら、彼は今頃どうなっていたのか…。

このお母さんには僕もずいぶんとお世話になってきました。
今改めて、お礼を申し上げたい所存です。


だが果たして、『マンガの彼』の方は、アスペルガーの彼の『ガラスのコップ』は、
ほんのわずかでも見えているのでしょうか…?
結局、自分にとって都合のいい彼の姿を彼に押し付け、
本当の彼をないがしろにしているのではないか…。


その彼は、今は運送会社(アルバイト)で働いています。
事務ではなく、実際にモノを運ぶ仕事です。
僕には全く向かない仕事です。
もちろん向かない理由には、アスペルガー症候群の特性も深く関わっています。
そして、アスペルガーの彼もおそらく、この仕事は適職ではないように思いました。

実際彼も、ミスをすることが多かったり、
コミュニケーションや協調性の部分で、先輩社員から叱られることも多いようです。
今の僕とは、真逆の状況です。
だからこそ、再び彼の『ガラスのコップ』が溢れないかが心配です。


そのガラスのコップが溢れるリスクに、『マンガの彼』がいます。

アスペルガーの彼は、一時、社労士の勉強をしていたそうです。
マンガの彼はそのことを知っていて、曰く
『俺はこいつが勉強していることを知っていたから認めてた』
とのこと。
(それに続けて、僕に対して『仕事を続けて欲しい』だの『頑張って』だの
 全てを分かったようなそぶりで上から目線で言ってきたが…)

しかし、その社労士も、彼にとって適職とは思えませんでした。
もし運よく彼が社労士になったとしても、
残念ながら、彼の器では社労士として独立してやっていくのは
とてつもなく難しいのが現実です。
これは夢を摘み取る発言ではなく、
現実に彼の持っているものを考慮しての発言です。
(※発達障害者の中には、己の器を理解しきれず、
 実際に適性を発揮しづらい道に突っ走ろうとする人も少なからずいます。
 新卒での就活の時、僕が営業職で仕事を探してきたように、です。)

では、その社労士の勉強の末に、また彼が昔のように燃え尽きてしまったら
何もできない、休息しないといけない状態になってしまったら……
マンガの彼は、アスペルガーの彼を見捨てるのだろうか…?
それとも、『頑張れ』『もっとやれ』と、彼を追いつめるのだろうか?

なんと、恐ろしい。

最低限のルールやモラルを守る・もしくは守ろうとすることはまだしも、
特定の条件が無いと、友達として認めないなんて…
それが、アスペルガーの彼を『殺す』ことになることが、分からないのか?

僕自身も、マンガの彼にとって都合のいい『規格』で物を計られ、
ちょっとしたことで『不良品』として扱われ、『処分』されるのでしょうか。
その恐怖が生々しくあったから、マンガの彼との関係を諦めました。
それは、僕はマンガの彼と境界線を引くことができたこと、
客観的に見ても明らかな善悪の基準がある程度できていたからです。
しかし、アスペルガーの彼にはまだ、それができていないようです。
だからこそ、非常に危険です。
独裁国家の軍隊が平気で国境を越えられるようなレベルと似ています。


マンガの彼のように、
支配的・抑圧的で、人をコントロールしたがる人間は、
とりわけ、繊細な人間や感受性の高い人間を抑え付けたがるそうです。
彼も、そして自分で言うのもなんですが僕も……
マンガの彼にとっての『対象』なのでしょう。


彼をかつて汚してきた僕に、願う権利があるのなら……。

彼が『ありのまま』でいれる環境・関係をつくる、お手伝いをしたい。
彼の本来の良い所がよみがえって欲しい。

僕とアスペルガーの彼と同時代の友人で、
今も深い仲にある友人たちがいますが…
いつか、彼らとの会合に彼を呼んであげようかな、と思います。

その際、かつて友人たちが僕に本当の友情や安らぎを『与えて』くれたように
アスペルガーの彼に安らぎを与えられたのなら、幸いです。

過去から続く闇を灰燼と帰し、土に返し
新しい希望を、自助と協力をもって築いていくために。

We`re building up
to break it back down
We`re building up
to Burn it down
We can`t wait to burn it to the ground

(LINKIN PARK 『Burn It Down』)

今日の(・∀・)イイ!こと
献血に行って読みたい漫画を一気読みできたこと
by sannkaku-shikaku | 2013-04-23 22:08 | 葛藤
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