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2009/12/2 青い花の物語
冬の入り口 彼方に澄み渡った青い空です
感じるのは爽快感 いいえ 切ない気持ちでした

こんなにいい天気なのに どうしてそんな気持ちなのかと?
ふむ 貴方にならお話してもいいでしょう
この美しい青空のように澄んだ色をした 一輪の青い花の物語を

1年前まで私がいた場所には
それはそれは 美しい一輪の青い花が咲いていました

3年前 かつて私がいた場所に私が入ったばかりの時分に
ちょうどその時に咲いた 一輪の美しい青い花でした
変わり者である私はその一輪の花に向けて言葉を発して
様々な思い出を頂きました 今でも忘れ難い思い出です
優しく気高き 美しい青い花でした

商人の多く行き交うあの大地で 
あの青い花とは違う意味で青かった若き私は 多く悩み、学びました

しかし あの大地にはかつて魔物が棲んでいました
美しき青い花は その禽獣に徐々に魅せられていきました
『彼女』は変わってしまいました
変わり者の私は 彼女の私に対する嫌悪感や不信感に悩みました
私の若さゆえの過ちを咎めるかのように私に花粉を飛ばす彼女を見て
バラのトゲのように 彼女が僕に与える鋭い痛みと
私の無能や危険性について一人悩みました

私はこの年の始まり 今私がいる土地の旧王の導きを受けて
ついにあの大地を去りました
旧王は まだ青い花が咲く前にこの土地を傲慢な魔物に追われた人間でした
未だ青き私が 更に飛び立つことを信じて 私は彼を頼りました
 
しかし内心のどこかでは・・・
青い花が私に 不信感や嫌悪感を抱いていることを心配しながら
いつかまた 和やかに 安らかに 触れ合えることを祈りながら・・・

私があの場所を去りし後は 青い花はますます魔物に魅せられ
かつての 誇り高くも優しきあの青さは 既に失せたという声すら私に届きました
彼女の姿を私に見せぬように 私は天の采配で新天地に導かれたのでしょうか
一方では 人を幸福にするでなく 不幸にする花へと変わってしまった彼女を
私は心配し 再び澄んだ青色を取り戻すことを祈りました

私はあれから詩を書きました 文を書きました
かつて私がいた大地の記憶を思い返しながら 私が思ったことを書きました
時折 彼女のくすんでしまった心の生む ヒステリックな叫びが聞こえた気がしました
ああ その鳴き声は 魔物のそれとどこか似ている気がしました

そしてこの土地に来て半年後 青い花は枯れ果てたという報が私に届きました
青い花を犯しめ 欲情の渦中にいた魔物は
力を無くしたかのように 北国へと去っていきました
憎しみ という荷物を背負いながら・・・

長い物語になってしまいましたね お時間拝借して申し訳ありません
今私がこうして立っていられるのも 貴方を含む多くの人々のお陰だというのに
・・・ん、最後に聞かせて欲しいと? 今私が彼女に対して思っていることを

そうですね
もしかしたら私には このように思うことすら彼女許されないのかもしれませんが
あの時と、3年前のように再び交わることは無かろうとも
彼女の精が せめてまた人を幸せに出来る美しき花へと
生まれ変わり そうあり続けて 彼女自身も幸せであって欲しいということです

彼方に澄み切った青い空は黒く染まり
今日はまあるく黄色い 大きな満月が光っています
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今日の(・∀・)イイ!こと
たまたま見たテレビ番組に自分と馴染みの深い内容が放送されていたこと
by sannkaku-shikaku | 2009-12-02 23:20 | 詩文形式
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