人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2009/6/16 矛盾のウィット
昨日の記事を読まれた方は
内心僕が引用してきた言葉に対して
良い心地を覚えなかった方々もいらっしゃるかもしれません。

『力無き者に存在価値は無い。
だが、己の無力さを知らぬ者は、更に存在価値が無い。
力を手に入れることの第一歩は、今の自分の無力さを受け入れることにあるのだ。』
(『流星のロックマン3』グレイブ・ジョーカー)

一見すると、よりよく生きよう、皆で幸せに生きたいという記事を書いてきた僕が
結局は力無い者は死ねとか心無いこと言ってるじゃねぇかゴルァ、と
なった方もいらっしゃるかもしれませんが
それは、一行目だけを読んだ場合です。
二行目三行目を読んで、落ち着いて考えたらば
これが弱い者いじめの発言でないことは自明だと思うのですが、如何でしょうか。

二行目の『だが、己の無力さを知らぬ者は、更に存在価値がない』というところから
謙虚さも知らず傲慢に力を誇示し、己の力に溺れる者こそ真に愚かだ、という
非常に矛盾していながらも、非常にウィットに富んだ発言だと読み取れます。
そして三行目、無力を知り、受け入れた人間は真の『力』を手に入れ
自身がその力の武器にされるのではなく、自分の武器としてその力を使うでしょう。
(これを本来なら小中学生をターゲットにしたゲームにうまく盛り込んだ
カプコンの仕事もまた見事なり)

僕自身はまだ読んだことなく、大学の先生から聞いた話なのですが
古代ギリシャの文学『オイディプス王』でも、このような矛盾とウィットに富んだ
発言があるそうです。その一文とは・・・

『この世で最もいいのは生まれてこないことだ
二番目にいいのはなるべく早く死ぬことだ』
(ソフォクレス『オイディプス王』)

・・・いかがでしょう?賢明な読者の皆様であれば
『じゃあとっとと自殺した方がいいんだ』などとは恐らく考えますまい。

悲観主義に見せかけた究極の楽観主義。
ネガティブに見せかけた究極のポジティブ。
このウィットの力のすごさに気づいたらば
このレトリック(修辞法)を少しでも使いこなせたら
なんだか人生が開けてくる気がします。


今日の(・∀・)イイ!こと
面白そうな企業をまた見つけたこと
by sannkaku-shikaku | 2009-06-16 22:03 | 未分類
<< 2009/6/17 人生砂漠の... 2009/6/15 撤退とて、... >>